「パラレルキャリア」という言葉をご存じでしょうか?
これはドラッカーが提唱した考え方で、本業とは別の社外活動(副業に限らず非営利的な活動も含む)をすること。このパラレルキャリアが近年非常に注目されています。
ここ数年で、キャリアビジョン(自分の中の「こうありたい」という方向性を示すもの)の中にパラレルキャリアを目指すということが、増えてきたように思います。では具体的にパラレルキャリアとはどういうことなのか、私たちが直面する問題とキャリアについて、40代で起業した私の事例を交えて考えていきましょう。

 

30代〜40代女性が直面するライフイベントとキャリア

女性は結婚、妊娠、出産といったライフイベントで仕事を変わる、仕事から離れるという状況にならざるを得ないことがあります。そこで自分のキャリアが途切れてしまうのは、困るしもったいないと考える人も多いのではないでしょうか。

妊娠や出産を機に仕事を辞め、家で育児をしているとそれはそれで幸せでも、世間とつながっていないような漠然とした焦燥感がある、という声もよく聞きます。

会社側も、ずっと存続できるとは限らず、ずっと雇ってもらえるとは限らない時代ですね。副業が可能な会社が増え、自分でビジネスをやってみたいという人も増えてきました。

ここ10年ほどを見ると、それ以前よりも女性にとって優しく働くことが可能になったように思います。SNSの普及により、ネットで集客して売上を作ることが可能になり、「仕事」の選択肢の幅が広がりました。

パラレルキャリアとは一体どのようなことなのか?

前述の通り、パラレルキャリアとは本業以外に自分が行う社外活動のことなのですが、お金を稼ぐことだけが目的ではなく人生全体が豊かになるような活動のことです。

社外活動で学んだことを生かして、本業にも役立て相乗効果で成長していくこと。

副業をすることだけがパラレルキャリアではないので、何かサークルに入る、フリーペーパーを作って配るなど、その活動内容は幅広いのです。自分が実現したかった夢や、やってみたかった仕事などにチャレンジしてみるにしても、本業があるという安心感があります。

ライフイベントでずっと同じ仕事を同じペースで続けることが難しい女性にとって、パラレルキャリアは目指すべき未来なのかもしれません。

 

30代で結婚、出産し40代で子育て中の私の事例

私は薬剤師として長年働き、30代前半で結婚、妊活をして30代半ばから後半で2人の子供を産みました。40代となった今、子育てをしながら働いていますが2018年に42歳で起業。そんな私を例に、パラレルキャリアについて考えてみたいと思います。

私が起業するまでに抱えていた仕事への思い

なぜ小さい子供を育てながら、しかも本業があるのに起業したのか。

それは「自分でも何かやってみたい、何かできることはあるだろうか?」という単純な好奇心です。

その決断に至るまでには、もちろん悩みましたが「やってみたい」という心の声を無視できませんでした。

私が薬剤師という職業を選んだのは、人の役に立ちたいというよりは給料が良さそうというイメージと、学生当時理系科目の方が得意だったから、という理由。どうしても薬剤師になりたいという強い気持ちがあった訳ではありませんでした。

薬科大に入学したら、ベルトコンベア式に薬剤師国家試験へ向けての勉強をし、病院か調剤薬局、製薬会社など限定された医療の現場で働くしかない。ずっとそう思っていました。だからと言って特別に不満があったわけはなく、「私の人生はそういうもの」という認識で気にした事がなかったのです。そこにあったのは、「そうするしかない」という諦めでした。

 

諦めから職業を選んだ私と、起業して輝く女性たち

それが出産後の2015年あたりから、私の住む新潟の田舎でも周囲で「起業する女性」が増えてきました。これは本当に驚きで、最初に起業する女性の話を聞いた時に「そんな働き方もあるのか!」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。

SNSを利用して、どこに住んでいても不利になる事なく集客し、起業している女性たち。対面でしかできないと思っていた講座なども、zoomミーティングなどの動画通話を利用すればできるようになり、可能性が広がりました。

そんな女性たちを見ていたら、「私も自分の強みを生かして、本当にやりたいこと、やってみたいことにチャレンジできるのではないだろうか」という気持ちが湧いてきました。一度湧いてしまったら、心の声は無視できません。

そこで、私が選んだのが「大人の女子校」の今村愛子講師による「起業入門コース」です。

 

商品ゼロ、売上ゼロからの出発

一番初めに起業入門コースの門をたたいたときに、私は講師の今村愛子さんのことをほとんど知りませんでした。それは愛子さんも同じ。

いきなり「商品ゼロ、なので売上もゼロです。なんとかなりませんか?」と言い、そこから売れる可能性のある商品を見いだしてもらったのです。

モニター募集してテストマーケティングをしながら着実に売上を作ることができる行動を教えていただきました。

 

ビジネスを学ぶことで訪れた私の変化とは

起業してしばらくすると、予想していなかった変化が起こりました。詳しく説明しましょう。

 

本業への良い影響

私がビジネスを学び実践していくことで、2つの大きな変化がありました。その1つは、本業への良い影響があったこと。

ビジネスをやっていく上での視点は、会社員でももちろん必要なことです。ですが、組織の中にいたら気がつきにくいこともあります。そこで普段会社で意識していなかったことが実は重要だと気がついて意識してやるようにしたら、周囲の反応が変わりました。

具体的には、薬剤師として患者さんとお話をするときの視点が変わったのです。

相手の患者さんの人生にとって必要なこと、望ましいことが何かを「処方箋」という紙の上で考えるのではなくて、患者さんと向き合うということはどういうことなのか、感覚的にわかるようになったのです。

大人の女子校で自分や周りの人の個性をどう扱うかを学んだので、患者さんの個性もある程度理解できた上でお話できるようになったことも、大きな要因だと思います。結果、本業の会社で働きやすくなりました。

 

夫婦仲がより深まった

私たち夫婦は、もともと比較的仲の良い夫婦で、大きなケンカはほとんどありません。たまに意見の食い違いなどから険悪なムードになることもありますが、起業してからの方がより夫婦仲が良くなったように思うのです。

起業すると、とにかく時間がなくなります。私1人では、家事がまかないきれない、子育ても協力をしてもらわないといけない状況になりました。起業するということを決めた時から、夫への協力をお願いしてやってもらっていました。

起業してから営業の本質とマネジメントを学び、夫への頼み方が変わり、私も夫の話をよく聞くように。結果夫が私の1番の理解者となってくれて、私のビジネスを応援し支えてくれるパートナーになりました。本当に日々感謝しています。最近が一番仲良しです。

 

相互に成長できるビジネスこそ本当にやってみたかったパラレルキャリアになりうる

私が実際に起業してみて感じたことは、ビジネスをすることで人生も整い、本業にも良い影響があるということです。

ビジネスは成果がわかりやすく、努力の方向性が違っても売上が上がらないか減ってしまうことがあるので自分で気がついて修正しやすいのです。

何をするにしても、大切なのはまずやってみようと思う気持ちと一歩を踏み出す勇気です。やってみて初めてわかることも多いので、やりたいことができる方法をしっかりと考えていきましょう。

 

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この記事のライター
あかがわくまこ
あかがわくまこ
個人起業家のプロフィール作成や記事提供、法人サイトのコラム執筆など客観視点のあるライターとして幅広く活躍中。